回転体の体積の計算パターンは共通である。問題に応じて 断面の、回転軸から「一番近い点」と「一番遠い点」を求めることが ポイントである。

問1

y = z 平面上で |x| ≦ ey + e–y2 – 1 をy軸まわりに回転した体積の問題。

図形の把握、とくに y = z 平面上というところが難しい。まずは立体図を描いて概観を理解する。 次に、y軸まわりの回転なので、y軸に垂直な断面で図形の正確な位置関係を把握する。 この問題では線分になる。回転なのでy軸から一番近い点と一番遠い点の距離を計算する。ここが重要なポイントで、与えられた条件から慎重に計算する。 そしてそれらの点の間も繋がっていることを確認して、回転断面 (この問題では円環) の面積を求める。あとは回転軸に沿って積分すればよい。


問2

y = sin(x + π8)、 y = sin 2x で囲まれる部分をx軸まわりに回転した体積の問題。

図を丁寧に描いて、どのような図形が回転されるかを確認する。 この問題では y = sin(x + π8) と y = sin 2x の交点を求めるところに若干の工夫がいる (和積公式の利用)が、それができれば 後は通常の回転体の積分計算である。


問3

立法体を対角線のまわりに回転した体積の問題。

断面の位置によって断面の形が変わる問題である。まずは図形の 対称性から、回転軸の対角線の半分まで考えて、 その結果を2倍すればよいことをおさえておく。 次に、どこで断面の形が変わるかを調べ、変化するポイントを回転軸の 位置に対応させる。各々の断面の形について重要なことは、 その正確な形でなく、回転軸から一番遠い点の正確な距離を求める ことである。図形の知識をフル活用してそれを求める。 この問題の場合、一番遠い点や、変化するポイントを求めるのに 空間内の平面方程式を利用するのがよい。


問4

r = 2 + cosθ と x 軸で囲まれる部分をx軸のまわりに回転した体積の問題。

まずは、極方程式から曲線の形を把握することからはじまる。 それは dxdy から判断する。 体積の積分計算では、パラメータ表現を利用して置換積分を行う。 この問題では、f(cosθ)sinθ 型の被積分関数になり、さらに置換積分することになる。


問5

y = xe1 – x と y = x で囲まれる部分をx軸のまわりに回転した体積の問題。

回転する図形は簡単に確認できる。体積の積分計算では、被積分関数が x2eαx 型になり、x2を消すために部分積分を2回行う。


問6

y = x sin x とその法線とy軸で囲まれる部分をx軸のまわりに回転した体積の問題。

法線を計算して、回転する図形を確認する。効率よく体積を計算するために、 体積の足し算・引き算を行うのがよい。体積の積分計算では、被積分関数が x2×三角関数 型になり、x2を消すために部分積分を2回行う。


問7

y = log(x–a)、x = 1、x = 3 で囲まれる部分をx軸のまわりに回転した体積とその最小値の問題。

(1) において、体積の計算で β α (log(x – a))2 dx 、 β α (log(x – a)) dx 型の積分が現れる。解法では、部分積分でこれを計算している。 この計算は簡単なので、身につけてほしい。

(2) において、最小値を求めるための V(a) の微分は、(1) の結果を直接微分しても よいが、計算は少し複雑になる。もう一つの方法として、積分したものを微分することに なるので、微分積分の基本定理が使える。 ただし、これは正しく使わないと間違いが起こるの。 原始関数の導入にもとづいて正確に計算する必要がある。それができれば計算は 簡単になるので、正しい使い方の習得を心がけてほしい。 それまでは、下手に使わない方がよいだろう。


問8

y = ax + b (0≦y≦8)をy軸まわりに 回転した容器の体積と入水の水面上昇速度の問題。

(1) では、変数xの関数 y = f(x) のグラフをy軸を中心に回転する問題である。 回転体の体積の計算で、置換積分により x の積分に変えるところがポイントである。
即ち、V = β α π x2 dy = b a π x2 dydx dx   (a = f(α)、b = f(β)) 。

(2) では、t = f(h) の式が導かれ (tは時間、hは水面の高さ)、 dhdt を、 dhdt = 1(dtdh) で計算するところがポイントである。