問1

"整式f(x) のxからx+1までの積分 = f(x)の定数倍" (積分方程式) から、"f(x)は定数" を示す問題。

一般的に f(x) = a0xn + a1xn-1 + ... とおいて、積分不等式にあてはめて恒等式を導く。そして各xk の係数を比較して a0 = ... = an-1 = 0 を導こうとするのが自然な発想である。 しかしこの問題では、そのまま議論を進めても得られる ak の関係式が複雑になり、 結果が導けない事態になる。そこで、良い方針を得るために、仮に n = 3 として 様子を見てみる。そうすると、恒等式を xk でまとめるのでなく、akでまとめればよいことに気づく。それがわかればあとはスムーズに進む。

スタンダードなアプローチで行きづまったら、 簡単な例で状況を調べ、打開案を探るのがよい。


問2

3次のf(x)÷f'(x) の余りが定数のとき、f(x) = 0 の実根は1個であることを示す問題。

まずは f(x) = ax3 + ... とおいて、f(x)÷f'(x) を計算し、余りが定数である 条件を、係数の関係として表す。これにより、2次式 f'(x) が定符号、即ち f(x) が 単調増加あるいは単調減少であることがわかり、所望の結果が導かれる。