(2) 接点, 交点
3次グラフと水平線が3点で交わるとき、3交点がおさまる範囲の問題。
与えられた範囲が何を意味しているのか?それがわからないと解決に
たどり着くのが難しい。やるべきこと("範囲"の端点や極値のxの値をグラフの式に代入して正負を見る)はわかっているが、工夫なしに行うと計算が複雑になり、途中でつかえてしまう。区間の形から、グラフをx軸方向に a だけ移動すると計算が簡単だろうと予想される。
実際、移動した式に、やるべきことをやると解ける。
結局、与えられた"範囲"の端点は、水平線が極値を通るときのもう一つの交点の
x座標であることがわかる。それがわかっていれば、3点で交わるとき、その3点のx座標が
この範囲にあることは明らかである。この問題を通して、そのような「極値を通る水平線と
グラフの交点」という発想をレパートリーに加えておくとよい。
y=x3の接線を45°回転した直線とy=x3が3点で交わる接点の問題。
傾きmの直線を45°回転した直線の傾きはベクトルで求めるとよい。
即ち、現在の方向ベクトルが (1, m) で、これを90°回転したベクトルが
(–m, 1) で (長さが同じで直交)なので、45°回転した直線の方向ベクトルは
これらの和の (1, m) + (–m, 1) = (1–m, 1+m)である。P(p, p3)を
通る、この傾きの直線が L になる。
あとは、方程式 x3 = Lの式 が異なる3実根を持つ p の範囲を定めればよい。
x = p がこの方程式の解 (45°回して接しないので重根でない) であることはわかっているので、
方程式を (x – p) で割って、2次方程式が異なる2実根をもつ条件を求めればよい。
3次グラフと2次グラフの3交点における3次グラフの接線が、一点(p, q) で交わる条件の問題。
(1) では、3交点のx座標をα、β、γとし、これをもとに3本の接線を求め、をれらが (p, q) を
通る条件式を書き下す。次にそれらの式から α、β、γ を消去するのだが、
その対称性から、解と係数の関係を使うところがこの問題のポイントである。
(2) では、通常通り極値の符号により、異なる3点で交わる条件を記述し、それを解く。
3次グラフの傾きが同じ接線 (接点 P1、P2)のグラフとの交点 (Q1、Q2) に関して、
P1Q1 = P2Q2 の証明の問題。
(1) は f'(x) = m (2次方程式) の実数解の個数を調べるだけである。
(2) では、P1(p1, f(p1))、
P2(p2, f(p2))の接線を求め、方程式 f(x) = 接線の式 から各々Q1(q1, f(q1))、
Q2(q2, f(q2))を求める。ここでポイントなのは、
上記の方程式は各々 x = p1、x = p2 で重解をもつので、各々
(x – p1)2、(x – p2)2 で割れ、その商として q1、q2
は簡単に求まる。P1Q1 、P2Q2の
傾きは同じなので P1、Q1のx座標の差と、
P2、Q2 のx座標の差が等しいことを見れば結果が導ける。