(1) 囲む面積
絶対値の入った2次グラフと直線の囲む面積の問題。
場合分けにより絶対値を外し、図を描き、
各交点を求めて積分を行う。ただし、そのまま計算すると
計算量が多く、間違う危険性が大きい (解法1)。
この手の面積計算では工夫が大切である。一つの工夫は、
面積のある部分を並行、反転、場合によっては回転移動して
別の部分にうまくはめ込み、面積の計算しやすい形に変形することである (解法2)。
同じ観点で、奇関数、偶関数にも注意する。もう一つ別の工夫として、2次グラフと直線が関係する場合は、
公式 ∫(x−α)(x−β)dx = – (1/6)(β – α)3 をフル活用することである。
この公式は、計算量を大きく削減してくれる場合が多い。
点対称な2次グラフと直線で囲む面積の問題。
原点に関しての点対称はなグラフは y → –y、x → –x ですぐに求まる。原点でない場合は、
頂点の移動先と、凸の方向が変わることに注意すれば求まる (2次グラフの場合)。
面積の計算は、そのまま計算しても難しくはないが (解法1)、部分の移動・はめ込みと公式の利用の組合せで劇的に簡単になる。
放物線とその上の2点による線分が囲む面積が常に1のとき、2点の中点の軌跡を求める問題。
2点のx座標をα、βとすると、面積の公式が利用できる。交代式、対称式を意識して
変形すれば必要条件の図形の方程式が導かれる。交代式 (β – α)3 を
2乗して、対称式に変える部分に注意する。また、導かれたのは必要条件なので、
軌跡問題の常として、x の動く範囲を確かめる必要がある。
2つの2次グラフの囲む面積を二等分する接線の、接点に関する問題。
2つの2次グラフの囲む面積、2次グラフと接線が囲む面積各々を
面積の公式を使って、交点のx座標で表せば、簡単に解ける。
こここでも交代式を2乗して、対称式に変形している。
極限の計算は簡単である。
ある交点で共通接線をもつ3次グラフと2次グラフで囲まれる面積の問題。
まず図を描いて、状況を把握する。共通接線で交わるところは重解なので、
残り1点で交わる。共通接線をもつ条件から a が求まる (2つ)。
交点を求め、面積を普通に計算しても求まるが (計算が少し複雑)、
ここでも部分の移動・はめ込みと公式の利用で劇的に簡単になる。
3次グラフの面積の公式は、解法で示したとおり、2次グラフの
公式から簡単に導ける (3次グラフの対称性を利用)。