問1

表で x = 0 対称、裏で x = 1 対称の移動。xが原点から2n回後 x = 2n – 2 の確率の問題。

(1) では、この試行の特徴をつかむことが目的である。試行を2回続き で1単位と見ると変化の状況がわかりやすい。それに気づいてほしいという 設問である。

(2) では、(1) で得た知見にもとづき、問題を考えて見る。その観点で見ると、 x = 2n – 2 となるのは珍しい場合であることがわかり、その確率もすぐに 計算できる。


問2

はじめ白2赤1。2個とって両方白なら終り、そうでないなら+赤1で3個もどして続ける。
n回目で終わる確率の問題。

求める確率は n–1回まで終わらない試行結果続き、n回目の試行で終わる結果のでる確率になる。終わらないとき"+赤1"するので、終わらない試行結果となる確率は、毎回変化することに注意する。


問3

番号1か3のカードの山からA, B が2回か3回カードを引く。1を引く確率はp。
引いたカードの和が得点、ただし和が7か9のときは0点。 Aの戦略、Bの戦略がある。
期待値 EA > EB となるpの条件、 勝つ確率pAとし、"EA > EB なら PA > PB" の真偽判定の問題

(1) 試行の推移が、以前の試行の結果に依存する複雑なものである。 全ての可能な試行の推移を正確な場合分けで網羅し、 各々の推移の確率を計算するしか方法はなさそうである。

(2) では、Aが勝つ確率とBが勝つ確率を計算しないといけない(引き分けがあるから)。 (1) での計算も踏まえて、Aが何点で勝つかで場合分けするとわかりやすい。 Bも同様である。あとは、効率の良い多項式の計算が求められる。


問4

N色から選んで立方体の各面を塗る。p(N) :使った色が3色で隣り合う面は別色の確率。
a < b で P(a)、P(b) の大小比較の問題。

P(N)を求めることは難しくない。P(N)の増減を求めるには2つの方法がある。 微分 P' (x) を計算する方法と、P(x) ≦ P(x + 1) を解く方法である。 双方とも x は整数なので、あくまで整数の範囲でとけばよい。 即ち、微分は P'(x) = 0 の解を求める必要はなく、xが整数の時の P'(x) の符号を 調べれば良い。不等式を解く場合も、単調性などをもとに、 あきらかに成り立つ範囲を見つけ、そうでない範囲の 少数の例外を個別に調べればよい。


問5

各々はじめ赤1白1をもつ3人が、輪になって毎回右隣の人と1枚交換する。
状態遷移確率と、n回で初期状態に戻る確率の問題。

(1) では、まずは状況の記述の仕方 (表現方法) を工夫する。そして状態遷移の特徴を考える。 具体的に書き下していけばその特徴は見出せるはず。

(2) では、(1) の結果をふまえれば遷移の確率を求めることは難しくない。

(3) では、n回で初期状態に戻る確率 qn に関して、漸化式を立てればすぐに解ける。