問1

1〜5 をならべて、1〜3番目の和 = 3〜5番目 となる確率の問題。

効率よく場合の数を数えることが大切である。まず、1〜3番目の数だけみれば条件を満たすか否かがわかることに注意する。これを根元事象の集合とする (全ての場合を尽くす、確率の同じ場合の集合)。その中で、条件を満たす場合の数を数える。3番目の数の値で分類するとわかりやすい。そして、(条件を満たす場合の数) / (根元事象の数) で確率を求める。

確率の計算で混乱したら、根元事象の考えにもどって考え直すのがよい。根元事象の考えが、確率の全ての概念の出発点になる。ただし、根元事象の定め方は、同じ問題でも いろいろある。わかりやすく、効率の良いものを定めるよう心がける。


問2

一度に1段か2段で登るとき、15段の登り方 (2段は連続しない) の問題。

この問題は、見方を変えると解決の見える好例である。 まずは2段上りの回数で場合分けする。0回から7回になる。 2段上りは続かないから2段上りの間に1段をまず1個入れる。 そして残りの1段を 両端も含めた2段の間のどこかに入れる。 この最後の部分で見方を変えると、両端も含めた2段の間から 重複を許して残りの1段の個数分を選ぶと考えられる。 そうすると、その場合の数は重複順列で与えられる。 あとは、0回から7回分のこの重複順列を足していくだけである。

見方を変えるとうまくいく例で、しばしば重複順列があらわれる。 逆に言うと、効率よく場合の数が数えられないとき、 重複順列の観点から問題を見てみるとよいかもしれない。


問3

nチームのリーグ戦で、ちょうど1敗のチームが2つになる確率の問題。

この問題も見方が重要である。何に着眼して考えるかである。 ちょうど1杯のチーム A、B を軸に考えるのが良い。 まず、A、Bも対戦するのでAかBのどちらかが勝つ。今、Aが勝つとしたら Bはその他のチームに全勝する。一方、AはB以外のどこかのチームCに 負けるはずである。そしてCは1敗にならないために、A、B以外のどこかのチームに 負ける必要がある。A、B、C以外はA、Bに負けて2敗以上になるので 互いの対戦の結果がどうでもよい。

以上の考察から、条件を満たす試合結果の場合の数がわかるはずである。 A、B、Cの選び方が nP3、CがA、B以外のどこかに負ける場合の数が 2n–3−1、その他のチームの結果の数が 2n-3C2 である。


問4

番号つき青玉、赤玉、白玉が各々3個。3個を同時に取り、色も番号もちがう玉の個数の問題。

A(3)、A(2)は比較的簡単に求まる。A(0)が求まるとA(1)は残りの数として求まる。 A(0)を求めるのが少し難しい。得点できない状況を矛盾なく全て数え上げるために 問題の表現に工夫が必要である。解法で、色と番号の2次元のマス目をつくり、 これをもとに状況を説明し、場合の数を数えた。


問5

サイコロを2n回投げて、n回以上偶数の確率 pnの満たす不等式の問題。

pn が計算できる。ちょうど x回偶数が出る場合の数は 2nCx である。「n回以上」の場合は、x = n 〜 2n に渡って、 2nCx を足せばよい。その計算は、2項展開の定理と nCr = nCn–r を使えば得られる。 以上の考察よりpn が求められる。

次に不等式は、pn の具体的な形に数学的帰納法を適用すれば 示せる。


問6

1×1、2×2のタイル (各々出る確率 p、q) n枚で、3×6を敷き詰める確率の問題。

まず敷き詰めたときの、1×1 のタイルと 2×2 タイルの個数の組み合わせで場合分けする。 融通のきかない 2×2 を軸に分類すると良い。個数の組合せが列挙できたら、 各々の場合の確率を求める。何番目に 2×2 が取り出されるかを軸に考えると わかりやすい。最後に、これらを足し合わせればよい。