問1

2つの角の関係と1辺の長さが与えられた三角形の、面積最大のときの cos を求める問題。

∠A = θとし、正弦定理を用いてもう1辺の長さをθであらわす。 これにより、面積がθの三角関数で表される (整理すると cos 2θ と sin 2θ の単純な式になる )。 あとはθで微分して増減表を作り、最大となる cos ∠B を求める。


問2

tanの凸性を表す不等式の問題。

凸性に関する問題である。二回微分の正/負と凸性の関係を理解する。 右辺は凸性を表す不等式で、tan の二回微分の符号からすぐ出てくる。 左辺は、そのままでは凸性の公式にマッチしない。一旦 log をとって積を和に変えると 凸性の形になり、右辺と同様に導かれる。

log をとる手続きに思い至るかがポイントになる。log をとることで、かけ算が足し算に 変わり、見慣れた公式にあてはめやすくなる場合がときどきある。


問3

円環の中に内接する多数の小円の問題。

中心を通り、小円に接する線を描き、大円の中心Oと小円の中心Bと接点A からなる直角三角形を軸に、r と ∠AOBの関係を求める。 そして∠AOB ≦ πn を 用いれば、(1) の所望の不等式が得られる。 r が ∠AOB に関し、単調増加である確認も必要である。

(2) では、まず面積 S を求める。そうすると r の2次式になり、放物線の対称軸が (1) で求めた範囲に入るかが問題になる (実際には範囲に入る)。範囲に入ることを証明するために、 y = sin x の凸性に関わる不等式 (2πx ≦ sin x) を証明している。

凸性に関わる不等式を微分で 証明するには2回微分する必要があり、少し手間がかかる。ただしその手続きのパターンは共通なので、この解法でそれを学んでほしい。


問4

三角形の畳み込みを繰り返し続けたとき、辺の長さの収束先に関する問題。

(1) で、図をしっかり描き、OA2、OA3 を 丁寧に計算していくと、どのような特徴に気づいてほしいのかがわかる。 ここで、 sin の2倍角の公式も適宜使えないといけない。

(2) では、帰納法を使って (1) の結果を一般化し、求める極限に利用する。 ここでは sin α α → 1 (α → 0) が"うまく使えないと"いけない。この極限が議論のポイントになることが多いので、この解法で、その"うまい使い方"を習得してほしい。