(2) 内積と角
三角形の各辺の2 : 3 内分点でできる三角形と、もとの三角形が同じ中心の外接円をもつ問題。
どこをベクトルの起点にするかが重要である。問題をベクトルで表したとき、
なるべく対称な形になるように起点を選ぶ。そうすると計算がスムーズに運ぶ場合が多い。ただし例外はある。
この問題では、Oを起点として
OA、
OB、
OC のベクトルを使う。
そうすると
OP、
OQ、
OR のベクトルは、
OA、
OB、
OC の対称な形で
表される。
Oが△PQRの外心でもある条件は、|OP| = |OQ| = |OR| と表される。
以上の設定で、この問題は簡単に解ける。
△ABCの外接円上の点Pについて、APとBCの交点Dに関する問題。
ベクトルADはわかっているので、
AP : AD がわかればよい。円上の点を結ぶ複数の線分の交点を論じる場合は、
方べきの定理が非常に役立つ。この問題も、方べきの定理を
利用すれば難しくない。
方べきの定理を忘れていても問題はない。方べきの定理は、たとえばこの問題の場合、
円周角の定理から導かれる△ADB ∽ △CDPの言い換えに過ぎない。よって、この相似を
利用すればよい。
円上の定点と動点を使って、内積を含むベクトル式で表される点の動きに関する問題。
ルーチンの計算をすれば結果が得られる簡単な問題である。
(1) は、
|OY| 2
=
OY・
OY
より、内積を計算するだけである。
(2) は、
OY の定義式を使って
与式を変形すると、
OA と
OX が同じ方向で
あることがわかり (これを導かれた式から、ただちに読み取ることが大切)、
OA、
OY の
大きさを考えたらすぐに結果が得られる。
(3) は、余弦定理 (と2倍角の公式) を使って ∠YOA と∠XOA を関連づければよい。
Aは定点なので X と Y の関係がわかる。これは少しおもしろい。
外心から下ろした垂線の足を使って表されたベクトル式から、もとの三角形の形を求める問題。
まずは図をしっかり描いて状況を把握する。合同な直角三角形の組が3つある。
それがわかれば
OP 、
OQ、
OR は
OA 、
OB、
OC
で表され、(1) は簡単に解ける。
(2) では、(1) で得た関係式をノープランでいじるのはよくない。
この関係式を図形上の条件として図に反映させる。
そうすると、式の使い方の方向性が見えてくる。
∠BOP( = 12∠BOC = ∠A) を求めるために、図に描かれた情報を利用する。