問1

三角形の各辺の2 : 3 内分点でできる三角形と、もとの三角形が同じ中心の外接円をもつ問題。

どこをベクトルの起点にするかが重要である。問題をベクトルで表したとき、 なるべく対称な形になるように起点を選ぶ。そうすると計算がスムーズに運ぶ場合が多い。ただし例外はある。

この問題では、Oを起点として OAOBOC のベクトルを使う。 そうすると OPOQOR のベクトルは、 OAOBOC の対称な形で 表される。 Oが△PQRの外心でもある条件は、|OP| = |OQ| = |OR| と表される。

以上の設定で、この問題は簡単に解ける。


問2

△ABCの外接円上の点Pについて、APとBCの交点Dに関する問題。

ベクトルADはわかっているので、 AP : AD がわかればよい。円上の点を結ぶ複数の線分の交点を論じる場合は、 方べきの定理が非常に役立つ。この問題も、方べきの定理を 利用すれば難しくない。

方べきの定理を忘れていても問題はない。方べきの定理は、たとえばこの問題の場合、 円周角の定理から導かれる△ADB ∽ △CDPの言い換えに過ぎない。よって、この相似を 利用すればよい。


問3

円上の定点と動点を使って、内積を含むベクトル式で表される点の動きに関する問題。

ルーチンの計算をすれば結果が得られる簡単な問題である。

(1) は、 |OY| 2 = OYOY より、内積を計算するだけである。

(2) は、 OY の定義式を使って 与式を変形すると、 OAOX が同じ方向で あることがわかり (これを導かれた式から、ただちに読み取ることが大切)、 OAOY の 大きさを考えたらすぐに結果が得られる。

(3) は、余弦定理 (と2倍角の公式) を使って ∠YOA と∠XOA を関連づければよい。 Aは定点なので X と Y の関係がわかる。これは少しおもしろい。



問4

外心から下ろした垂線の足を使って表されたベクトル式から、もとの三角形の形を求める問題。

まずは図をしっかり描いて状況を把握する。合同な直角三角形の組が3つある。 それがわかれば OPOQOROAOBOC で表され、(1) は簡単に解ける。

(2) では、(1) で得た関係式をノープランでいじるのはよくない。 この関係式を図形上の条件として図に反映させる。 そうすると、式の使い方の方向性が見えてくる。 ∠BOP( = 12∠BOC = ∠A) を求めるために、図に描かれた情報を利用する。