不等式の問題は一般的に難しい。

問1

分数式と3次不等式を組合せた問題。

3次不等式を解いて範囲を定め、その範囲で 分数式の不等式を作って解く。不等式の合成 パターンである。



問2

基本となる不等式を証明させ、それを利用して 具体的な不等式を証明させる問題。

(1)の不等式には、記号がたくさん現れて a0、b0、a1、b1 の大小関係がどのように反映されているかが見えない。 そいうときは、a0、b0、a1、b1に 具体的な数値をあてはめてみる。 そうすると、どう変形したら良いかの道筋が見えてくる。

(2) では (1) を利用することは見えている。そのために、(1) の意味するところを 整理し、イメージにとどめることが大切である。そうすれば(2)を調べる中で、 使うべきときに使えるようになる。実際 n=4あたりで、Sを展開すると、使いどころが わかってくる。そのようすを参考に、一般の場合の議論を行う。

この問題は、(1)を適用しただけでは解けず、もう一工夫必要である。
1k2+1 < 1k2−1 = 12 (1k–11k+1) を利用して証明する。この評価 (不等式) は、級数の評価でしばしば利用されるので 使えるようにしておくとよい。



問3

数列の条件として与えられた不等式から数列を求める問題。

与えられた不等式を見ただけではどうしてよいかわからない。 まずは小さなn (例えば n = 3 )で、Σを使わず不等式を表して 状況を考えてみる (Σのままだと不等式の変形ができない)。

ここでは、n = 3を調べると問題の状況はわかる。 そして帰納法で証明するというアイデアが浮かぶが、 n = 3 では小さすぎて、帰納法の運用方法 (帰納法の仮定の使い方) が見えてこない。 そこで、n = 4 を考え、n = 4 から n = 3 を利用する (帰納法の仮定を使う) 方法を学ぶ。そしてそれを一般の場合に展開する。

一般の証明はテクニカルに見えるが、n=4で方針を 理解していたら、どう式変形をすべきかは迷わずにわかる。 この問題の場合、n = 4 のnが小さい場合でも、 n = 3 への 還元のロジックは少し複雑である。 この問題を通してこのレベルの議論が できるよう、意識を高めてほしい。