(5) 不等式
分数式と3次不等式を組合せた問題。
3次不等式を解いて範囲を定め、その範囲で
分数式の不等式を作って解く。不等式の合成
パターンである。
基本となる不等式を証明させ、それを利用して
具体的な不等式を証明させる問題。
(1)の不等式には、記号がたくさん現れて
a0、b0、a1、b1
の大小関係がどのように反映されているかが見えない。
そいうときは、a0、b0、a1、b1に
具体的な数値をあてはめてみる。
そうすると、どう変形したら良いかの道筋が見えてくる。
(2) では (1) を利用することは見えている。そのために、(1) の意味するところを
整理し、イメージにとどめることが大切である。そうすれば(2)を調べる中で、
使うべきときに使えるようになる。実際 n=4あたりで、Sを展開すると、使いどころが
わかってくる。そのようすを参考に、一般の場合の議論を行う。
この問題は、(1)を適用しただけでは解けず、もう一工夫必要である。
1k2+1
< 1k2−1
= 12
(1k–1
−1k+1)
を利用して証明する。この評価 (不等式) は、級数の評価でしばしば利用されるので
使えるようにしておくとよい。
数列の条件として与えられた不等式から数列を求める問題。
与えられた不等式を見ただけではどうしてよいかわからない。
まずは小さなn (例えば n = 3 )で、Σを使わず不等式を表して
状況を考えてみる (Σのままだと不等式の変形ができない)。
ここでは、n = 3を調べると問題の状況はわかる。
そして帰納法で証明するというアイデアが浮かぶが、
n = 3 では小さすぎて、帰納法の運用方法 (帰納法の仮定の使い方) が見えてこない。
そこで、n = 4 を考え、n = 4 から n = 3 を利用する (帰納法の仮定を使う)
方法を学ぶ。そしてそれを一般の場合に展開する。
一般の証明はテクニカルに見えるが、n=4で方針を
理解していたら、どう式変形をすべきかは迷わずにわかる。
この問題の場合、n = 4 のnが小さい場合でも、
n = 3 への 還元のロジックは少し複雑である。
この問題を通してこのレベルの議論が
できるよう、意識を高めてほしい。