基本的に、「割り算」の問題は簡単である。ここから手をつけて時間を節約するのが良い。

問1

f(x)は2次式。f(x3)がf(x)で割り切れる問題。

多項式の割り算で議論を進めるより、f(x)=0の解α, βを使った方が 複雑な計算を避けられそうだ。途中、1の3乗根ω (x3 –1=0の1以外の根) をうまく使って計算する: ω3 =1、ω2 + ω + 1 = 0。この計算はよく出題される。 因数分解と場合分けの議論が続く。この辺の正確な展開の能力が試されている。α, βの対称性も適宜利用して、議論を簡潔にする。



問2

「全てのnに対して f(n)g(n) は整数」という条件を扱う問題。

次元は低いが、多項式の割り算の関係式を使って議論を進めていく。

a、b、cが整数でなく、実数であるところが難しい。 ④の式を導くことがポイント。少し発想の飛躍が必要なので、 この発想をレパートリーに加えておくと良い。 pは定数で、p以外はnが大きくなるとどんどん小さくなるのでこれが 整数であるためにはpが整数であることが必要になる。 この部分の議論の感覚を身につけてほしい。

○基本事項の確認:∀n. x + 1717n が整数のとき、xは整数である。



問3

xn を x2−2x–1で割った余りの問題。

xnを割った余りと、xn+1を割った余りを関連づけて、漸化式を導くことがポイント。 これはある種、定形の発想である。漸化式を利用して「整数」、「互いに素」を示す議論もルーチンである。



問4

複雑な高次多項式 (x100 + 1)100 + ... を x2 + x + 1 で割る問題。

x2 + x + 1 = 0 の解 ω (1の3乗根) を利用する。



問5

2つの多項式 f(x)、g(x) が「ともにh(x)で割れる」か「ともにh(x)で割れない」かを問う問題。

f(x) が h(x) で割れれば g(x) も h(x) で割れることを示せばよい。多項式の割り算を実行して議論する。